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千日を重ね、千年愛される家具へ。

到着。

先月、無事製材を終えたチークが乾燥の工程を経て工房へとやってきました。

一枚一枚トラックから手降ろししながらチェックする。一枚一枚興奮する。

いろんなデザイン、アイデアが湧いてくる。

いや〜、楽しみでしょうがない。

期待して下さい。


チークといえば、世界中の木材の代表格。しかしながらその性質について間違った情報が多く発信されているようなので、多少の訂正を加えながら紹介してみます。


乾燥?

一般的な木材は家具や建具などを作るためにkiln dry と言われる人工乾燥を施すことが多い。水分を含んだ素材を含水率10%前後まで乾燥させる事により収縮や形状変化を止め、塗装を施すことにより膨張を防ぐ。人工乾燥と自然乾燥した木材を比べても質感の違いが出る事はないし、それより個体による違いの方が大きい。人工乾燥をすすめる理由の一つは高温により雑菌などを除去できる事。

強度?

乾燥をする事により多少強度が上がるが硬い木材とは言えない。鋸やノミでの加工は容易。ただし機械を含めかんな仕上は刃物を極端に摩滅させる。

古い物の価値が高い?

家具など製品にはプレミアムが付く事もあると思えるが、再生した素材に対しては理解し難い。1980年頃から東南アジアでは倉庫など古い木造建築物が解体され小屋組,ドア,窓,窓枠,地上階以外の床板などに使用されていたラビッシュ(rabbish)チークを再生後(化学薬品を使ってペンキを剥ぎ悪臭を除去し、釘や金物などを取り外して再製材)家具や床板に加工されていった。もちろん資源の有効活用ではあるが、その事がすなわち古材が高級品に位置づけられる理由にはならない。金属やプラスチック等と違い分解、粉砕等が出来ないし、高熱を加える事による殺菌などは期待できない。

経年変化?

古い木材が変化することは無い。ましてや塗装を施している物は塗料の色の変化しか見えない。伐採直後の新鮮なチークは薄い緑色、そして20年ほどかけて赤褐色くらいまで色が濃くなり、それからゆっくりと色が抜けていく。無塗装で使用できます。汚れやシミはサンドペーパーで除去できます。

伐採後のチークは反りや割れが激しい?

たとえ伐採後直射日光下に長期間放置したとしても有り得ない。この木材の寸法安定性は世界の最高水準に位置する。新鮮なチークが割れたり曲がったりするという事は非常に考えにくい。

塩水に抵抗性が有る?

一般的に木材は水中(海水,淡水)で使用すれば地上接地などより耐久性が高くなるが、熱帯や亜熱帯の海水中に棲む貝などによる食害を受けやすい。チークや一部の木材はそれらに対し抵抗力がある。


たまにくる、珍しく語ってみましたシリーズでした。

もうすでに、このチークでの受注もいただいているので早速荒取りに入ります。